大韓航空、747-400をロケット発射母機に 研究開発に着手

大韓航空、747-400をロケット発射母機に 研究開発に着手

ニュース画像 1枚目:大韓航空 747-400
© 大韓航空
大韓航空 747-400

大韓航空は2021年7月20日(火)、ソウル大学校と協力し、韓国空軍が発注した「国内大型民間機活用による空中発射の可能性の分析研究」に着手したと発表しました。これはボーイング747-400型機をロケット発射母機とするため、技術レベル、他に活用できる技術、年間の運用コスト、機体改修案などを分析し、最終的には商用化を目指す研究です。

韓国のロケット打ち上げ施設は、全羅南道にロシアの技術協力を得て現代重工業が建設した羅老宇宙センターがあります。この施設は、ロケット打ち上げ時に日本、または台湾を通過する軌道になるため、南に打ち上げるのみと運用に限定があります。航空機を利用する発射母機は上空1万2,000メートルまで上昇してからロケットを発射させるため、気象条件や自由な軌道の選択ができるメリットがあります。

大韓航空はこの研究を通じ、他国のロケット打ち上げ需要を取り込む狙いもあります。747-400型をロケットの空中発射母機として運用する実例はすでにあり、ヴァージン・ギャラクティックが小型衛星を低価格で軌道上に運ぶ「LauncherOne(ランチャーワン)」プロジェクトを展開しています。ヴァージン・グループが運用する機体は、かつてヴァージン・アトランティック航空で運航されていた747-400旅客機で、現在は母機として改造、運用されています。

747-400旅客機を発射母機とする場合、通常は4発エンジンを搭載して運航していますが、スペアエンジンを輸送する際に第5エンジン搭載に使用する左主翼下に設けられているパイロンを活用し、ロケットを搭載し、空中へ輸送します。

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