1947年に設立されたアリタリア-イタリア航空が2021年10月14日、74年の歴史に幕を下ろしました。2001年に起きた同時多発テロ以降、経営状況の悪化が続き、さまざまな再建の試みが行われてきましたが、ついに終焉を迎えました。「アリタリア」とはイタリア語で「翼(アリ)」と「イタリア」の造語であり、「イタリアの翼」という意味が込められた航空会社でした。また、その機体塗装デザインは「アリタリアカラー」と呼ばれ、シンプルな中にもしっかりと存在感を示すものでした。終焉を迎えた今、アリタリア航空の機体塗装デザインを振り返ります。
■1947年(創業時)
創業時は、尾翼にイタリア国旗をイメージするデザインで、胴体にはブルーのストライプが採用されていました。
■1969年(アリタリアカラー)
2021年の最後まで引き継がれた「アリタリアカラー」と呼ばれる塗装は、1969年に登場しました。イタリア国旗のカラーである「緑・白・赤」を使ったシンプルなデザインですが、非常に印象に残るものでした。
■2008年(アリタリアカラー マイナーチェンジ)
40年前に登場したアリタリアカラーを引き継ぎ、尾翼デザインが胴体に流れるように変更が施されました。2021年の終焉を迎えるまで、この塗装デザインのままの機体も数多く存在しました。
■2015年
2015年に誕生した機体デザインです。当時、エティハド航空からの出資を受けたタイミングで登場しました。胴体に描かれていたグリーンの帯がなくなり、尾翼のデザインが胴体後部に回るこむようになりました。胴体はパール系の白で塗装され、後方には縦のストライプ状に白いループが描かれています。2021年の終焉時には、この新しい機材デザインに塗装されなかった機体も数多く見かけられました。
アリタリア-イタリア航空の終了に伴い、イタリア政府は国営の航空会社として、ITAエアウェイズ(イタリア・トラスポルト・アエレロ:ITA)の運航を10月15日から開始しています。2022年3月までに日本への就航も計画されており、その乗り入れが楽しみです。