B-21開発加速・F-35増勢、アメリカ空軍省予算案 増額要求

B-21開発加速・F-35増勢、アメリカ空軍省予算案 増額要求

ニュース画像 1枚目:B-21レイダー イメージ画
© Northrop Grumman
B-21レイダー イメージ画

アメリカ空軍/宇宙軍は、2023年度予算案で1,940億ドル(約23.6兆円)と2022年度予算より203億ドル多い要求額としています。中国やロシア、他の世界の安全保障の脅威に対応する近代化を推進する目的から、予算要求を増額しています。アメリカ空軍/宇宙軍を統括する空軍省は、増額要求について、B-21レーダーの開発加速、予定する戦闘機の円滑な調達など近代化に必要な予算要求を加速させ、変革スピードを早めると説明しています。

1,940億ドルの予算案のうち、空軍分は1,695億ドル、宇宙軍分は245億ドルです。空軍予算では、核抑止力を近代化する研究・開発・試験・評価に11億ドルを追加要求し、2022年度の25億ドルから36億ドルと大きく増額しました。特に、開発中の長距離爆撃機B-21レイダーは5機が製造されており、その開発と核認証に向けた予算が追加で確保されています。

調達では、戦闘機では第5世代のF-35AライトニングIIを33機、F-15EXイーグルIIを24機、さらにこれらを支援する空中給油機のKC-46Aペガサスを15機と、予定されている更新を円滑に進める資金を確保しています。さらに、飛行時間を110万時間に増やすため、2022年度から3億ドル増加の79億ドル分の支出分の予算を要求しています。調達と飛行時間の増加で活動量を確保していく内容です。さらに、宇宙軍には極超音速ミサイルに対応するシステムに10億ドルを費用追加を求めています。

世界では、中国が南シナ海で航空・海軍勢力を増強、ヨーロッパではロシアによるウクライナ侵攻など安全保障環境が不安定になっています。その中で、ドイツはF-35購入を決めるなど、防衛予算を大幅に増額させる決定が下されています。アメリカ空軍/宇宙軍の要求した予算額は、全て満額で決定するものではないものの、装備の近代化を加速させ、脅威への対処能力を維持する方針・意思を示した内容です。

ニュース画像 1枚目:2023年度予算案の主なポイント
© USAF
2023年度予算案の主なポイント
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