JAL、ボーイング777型機 羽田で解体・リサイクル 国内初

JAL、ボーイング777型機 羽田で解体・リサイクル 国内初

ニュース画像 1枚目:latchさん 2016年12月23日撮影 JA8945 ボーイング777-346 日本航空
© FlyTeam latchさん
latchさん 2016年12月23日撮影 JA8945 ボーイング777-346 日本航空

日本航空(JAL)は、保有していたボーイング777-300型機「JA8945(機体記号)」を初めて国内で解体しました。解体作業は、羽田空港旧整備場の羽田整備ビル大型第2(K2)ハンガーで2022年5月に行われた模様です。通常、退役した航空機はアメリカなど海外へフェリーされ、解体・リサイクルが行われます。今回の解体は、航空会社による国内での航空機解体と中古部品の流通を含むリサイクルを行っています。さらに羽田で解体を実施すると、通常は必要なアメリカへのフェリーフライトが無く燃料削減、排出ガスゼロと、SDGsを意識した取り組みでもあります。

日本国内で民間機の航空機解体・リサイクルは事例が少ないものの、少しずつ事例が出てきつつあります。エコネコルは、ボーイング747-400型政府専用機の購入で話題になり、リユース・リサイクルの研究を開始し、最近ではダイヤモンドエアサービスのガルフストリームIIの解体を手掛けています。豊富産業グループも航空機解体に関連する特許を保有し、国内での航空機リサイクル事業に乗り出しています。

今回の解体では、搭載していた一部の部品は売却されています。一般的に、航空機の解体前にエンジンをはじめ、降着装置(ランディングギア)、アビオニクス類などを取り外し、整備・耐空性検査を経て、中古の航空機部品市場に流通しています。現時点でJALは国内での解体・リサイクルについて、今後の明確な方針は示していません。それでも、航空会社とリサイクル会社が共同で国内で航空機解体と中古部品の流通を含むリサイクルの取り組みが、少しずつ広がってくるのかもしれません。

また、JALは2021年10月から、機体から取り下ろした部品を「航空機廃材」として活用する取り組みを始めています。これまでにライフベスト(救命胴衣)を活用したポーチ、「整備のお仕事ガチャ」など小型の廃材を活用した商品が販売されています。大型の航空機廃材は、ホテルとタイアップし、まるで機内にいるかのようなコンセプトルームが登場しており、さらに家具への転用も模索されています。今回の777の解体で機体の一部は、すでに一般向けに販売されているそうです。

ニュース画像 1枚目:エンジンブレードを加工、ホテルの客室に設置 JALの航空機廃材活用の1つ
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エンジンブレードを加工、ホテルの客室に設置 JALの航空機廃材活用の1つ
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