富士重工業は2015年9月2日、防衛省と陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター「UH-X」開発プロジェクト立ち上げ事業について、試作請負契約を締結したと発表しました。防衛省は2015年7月17日、新多用途ヘリコプター「UH-X」の開発事業者について、富士重工とベルヘリコプターによる共同開発を選定したと発表しています。ベルヘリコプターはこれを受け、歓迎のコメントを発表しています。
富士重工は、ベルヘリコプター412EPIの発展型を「富士ベル412+ (仮称)」として共同開発します。富士重工とベルヘリコプターは共同開発プログラムを開始し、機体の設計、量産化などで協力し、陸上自衛隊の要件を満たす試作機の初飛行に向け取り組みます。この機体を共通プラットフォームとし、陸上自衛隊向けUH-Xを開発します。
開発は、栃木県宇都宮市の航空宇宙カンパニーにUH-Xと富士ベル412+の製造ライン、維持整備体制を構築し、両社が共同でヘリコプター事業を展開します。
富士ベル412+は民間機として開発し、412EPIのドライラン能力を向上させ、トランスミッションの出力向上、機体の耐久性の改善など、性能と安全性を向上させます。富士重工が開発した金属表面加工技術、民間機の大量生産で培った高効率の生産技術などの独自技術を最大限に投入する計画です。
なお、富士重工は、ベルヘリコプターと共同開発する富士ベル412+の販売もベル・ヘリコプターのネットワークを活用し、世界に向けて販売するとしています。