2015年度の国内航空トラブルは968件、事故2件 重大インシデント6件

2015年度の国内航空トラブルは968件、事故2件 重大インシデント6件

国土交通省航空局は2016年6月17日(金)付けで、6月8日(水)に開催した「第19回航空安全情報分析委員会」の開催概要を発表しました。この委員会では、2015年度の国内航空運送事業者の運航による航空事故、重大インシデントと、そのとりまとめが報告されました。

航空事故は2015年度は2件で前年度と変わらず、重大インシデントは6件で前年度から2件増となっています。1986(昭和61)年以降は、特定本邦航空運送事業者の乗客の死亡事故は発生していません。

このうち航空事故の2件は、2015年8月28日(金)の第一航空のDHC-6-400による粟国空港着陸時の滑走路を逸脱、2016年2月23日(火)の日本航空(JAL)運航の737-800が新千歳を離陸に向け地上走行中、機内での煙発生による脱出シューターの使用が発生しました。

重大インシデントは6件で、2015年4月5日(日)にJALの767-300が徳島空港で滑走路上に作業車両を確認したことによる着陸復行が発生しました。また、同年6月3日(水)に全日空737-800が那覇空港で航空自衛隊機が前方を横切ったことによる離陸中止と、日本トランスオーシャン航空の737-400が管制官の着陸やり直しを指示するものの、ANAの滑走路離脱前に着陸した事案などがあります。

このほか、安全上のトラブル968件があり、計976件発生しています。航空会社が安全上のトラブルとして航空局への報告件数は計1,012件です。各会社、機材別、項目別の件数は以下のとおりです。

■安全上のトラブルの内容別分類 合計:968件
1) 機材不具合:337件
2) ヒューマンエラー:292件
 運航:92件
 客室:7件
 整備:93件
 地上作業:89件
 製造:11件
 その他:0件
3) 回避操作:234件
 TCAS RA(航空機衝突防止装置の回避指示):183件
 GPWS(対地接近警報装置の指示による回避操作):51件
4) 発動機の異物吸引による損傷:24件
5) 部品脱落:3件
6) 危険物の誤輸送等:60件
7) その他:18件

■安全上のトラブルの分類別件数 合計:968件 (括弧内は前年度)
1) 航行中の構造損傷:9件 (51件)
2) 航行中のシステム不具合:253件 (284件)
3) 航行中の非常用機器の不具合:32件 (50件)
4) 運用限界の超過経路・高度の逸脱:74件 (84件)
5) 機器からの指示による急な操作:262件 (227件)
6) その他:338件 (216件)

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