12月12日は岩国でMissing Man編隊飛行

12月12日は岩国でMissing Man編隊飛行

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© U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Nathan Burke
Missing Man編隊飛行 イメージ

在日アメリカ軍は2018年12月11日(火)、KC-130とF/A-18が12月6日(木)に墜落した事故で、5名の海兵隊員が死亡したと公表、捜索救助活動を終了すると発表しました。在日アメリカ軍兼第5空軍司令官のジェリー P. マルティネス中将は、捜索救助活動の終了は苦渋の決断としつつ、アメリカ、日本、オーストラリアの部隊が支援し、35,000平方マイルにおよぶ空海域を800時間以上に渡り、徹底した捜索活動が展開されたことに感謝の意を示しています。

マルティネス中将は「日本とオーストラリアのパートナーと共に行ってきたアメリカ軍の捜索努力を非常に誇りに思い感謝しています」と述べ、この大規模な捜索救助活動中、自衛隊と海上保安庁の支援は即時の人命救助に至っており、「そのプロ意識、献身と力強い支援に感謝の意を表明」しています。

アメリカは第3海兵遠征軍、第7艦隊、第5空軍、そして在韓アメリカ軍と空軍、海軍、海兵隊が総力をあげ、オーストラリア空軍も24時間体制で支援しました。自衛隊は航空機はのべ31機、艦艇はのべ11隻を投入し、活動にあたりました。マルチネス司令官は在日アメリカ軍全隊員を代表し、亡くなった海兵隊員の家族、海兵隊全体に対し哀悼の意を表しています。

捜索終了を受け、アメリカ海兵隊岩国基地は、墜落した機体は第152海兵空中給油輸送中隊(VMGR-152)「スモウズ」所属のKC-130Jスーパーハーキュリーズと公表しました。VMGR-152は海兵隊空陸任務部隊(MAGTF)司令を支援し、全天候下、かつ昼夜を問わず作戦中に空中給油、攻撃支援を提供する部隊です。また、すでに第242全天候戦闘攻撃中隊(VMFA(AW)-242)バッツのF/A-18Dでも1名の隊員が死亡したことが公表されています。

なお、事故の状況については徹底して調査する方針で、海兵隊も原因を特定するとしていますが、事故発生時に空中給油を実施していたとは確認されていないとしつつ、定期的に実施される訓練を行っていたことのみ明確にしています。

岩国航空基地では12月12日(水)午前、追悼式典の一環として編隊を組んだ航空機が通過する「Missing Man」編隊飛行を基地で実施します。「Missing Man」編隊飛行は、イギリスが導入し、アメリカ軍も1938年に導入した伝統ある儀式です。編隊飛行のうち1機が空高く上昇し、飛行隊形の中で亡くなった方となる「Missing Man」が占めていた空間が空いてしまったこと、また命を落としたパイロットが天国へ旅立つことを表しています。

日本でも東日本大震災の被災地支援として、ブライトリング・ジェット・チームが福島上空を飛行した際にこの編隊飛行を実施したことでも知られています。岩国基地では遺族や軍人が家族や仲間を失った喪失の心情を象徴する飛行のため、基地が喪に服すにあたり、基地地元の理解と支援を依頼しています。

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