小笠原への航空路、AW609も検討

小笠原への航空路、AW609も検討

ニュース画像 1枚目:AW609
© Leonardo
AW609

東京都は、長年検討している小笠原諸島への航路開設について、垂直離着陸ができるティルトローター機の採用案を小笠原航空路協議会で示しました。このティルトローター機はレオナルドが開発を手がけるAW609が提案されています。

レオナルドAW609はもともと、V-22オスプレイを開発したベルと、アグスタウエストランドが共同開発を進めていた民間用ティルトローター機です。ベルがオスプレイ開発に集中するため、アグスタウエストランドによる単独開発となり、現在は会社がレオナルドに代わり開発が続けられています。

タッチスクリーン・ディスプレイ、フライト・マネジメント・システム、3重のフルデジタル・フライ・バイ・ワイヤ操縦システムを採用するなど操作性の高さが特徴です。最も重要な航続距離は通常の燃料タンクで1,389キロメートル(km)、増槽タンクを装備し1,852kmに伸びます。東京ヘリポートから1,000メートル(m)の滑走路設置案が出されている洲崎地区まで978kmと、飛距離も問題なく解決できます。

ATR-72-600の改良版で短距離に離発着できるATR-72-600Sを使用するこれまでの滑走路設置案では、滑走路長は1,000mで、洲崎地区の建設だけでなく、航路確保のため父島の中山峠の掘削が必要で自然に切土する必要があります。こうした点も考慮し、自然改変を少なく、かつ滑走路長も短縮でき、小笠原と本土を結ぶ航空路で村が希望していた島民の命、健康を守る上でも航空路が必要という、長年の要望に答える検討を進めています。

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