ボーイングとエティハド航空は2020年8月下旬から、ecoDemonstrator(エコデモンストレーター)プログラムの一環で、騒音低減や二酸化炭素排出量の削減ができる特別装置を搭載した787-10ドリームライナーの試験飛行を開始しました。このプログラムで787-10を使用するのは初めてです。エティハド航空とボーイングは、アメリカ航空宇宙局(NASA)、サフラン・ランディング・システムズとも協力し、航空・旅行業界のサステナビリティ向上をめざします。
騒音に関しては、機体の表面や地上に配置した1,200個のマイクから、飛行機の騒音に関するデータを収集します。これにより、騒音の予測能力や操縦士が騒音を低減できる方法の向上、また騒音を抑える未来の航空機の設計について検証します。このほか、別のプロジェクトで、騒音を低減するためサフランが改良したランディングギアの試験も行います。
さらに、使用燃料や二酸化炭素排出の削減では、飛行経路の最適化に取り組みます。このため、操縦士、航空交通管制官、航空会社のオペレーションセンターが同時にデジタル情報を共有し、NASAの「テイラード・アライバル・マネジメント」システムを活用します。この情報共有は、騒音低減にもつながります。
飛行試験では、持続可能な燃料を最大50%ブレンドした航空燃料を使用します。新型コロナウイルス感染予防対策として、操縦室や客室でポータブル紫外線照明機器のテストも実施します。
なお、この試験飛行はエティハド航空の787-10受領前に実施されるもので、受領は9月下旬が予定されています。
■エティハド航空 - The ecoDemonstrator programme