VFR機の雲中飛行事故とりまとめ、再発防止を啓発

VFR機の雲中飛行事故とりまとめ、再発防止を啓発

運輸安全委員会は2020年11月24日(火)付けで、VFR機の雲中飛行の事故事例をまとめ、再発防止を啓発しています。VFR機の雲中飛行で事故が発生した場合、その76%が死亡事故となり、搭乗者の71%が死亡する過去30年の統計を踏まえ、注意を促しています。直近10件の事故は、全て死亡または行方不明者が発生しています。

小型機の事故全般でみた場合、発生場所は飛行場や場外離着陸場が63.5%と最も多く、運航段階で見ると離着陸時の事故が59.5%を占めています。ところが、雲中飛行の事故に絞ると、事故発生は68.3%が山地、運航段階では飛行中が90.3%と注意する要素が異なることが分かります。

雲中飛行事故の発生時期は、6月から8月の夏期が16件と最も多く、秋・冬の倍以上です。事故が発生する平均標高は約790メートル(m)で、約7割の事故が900m未満で発生しています。高山より山間部を含めた低標高で発生が多い傾向が指摘されています。

運輸安全委員会ダイジェストでは、機体の異常等が事故に直接関与した旨の記述はないものの、パイロットが空間識失調に陥る指摘が14件と、全体の34.1%で見られることもあげ、事故調査報告書から事故発生前の操作と事故事例、これまでの注意喚起の文書などとあわせ改めて注意を促しています。

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