米空軍RC-135Sコブラボール、日本海12時間飛行 ミサイル情報収集か?

米空軍RC-135Sコブラボール、日本海12時間飛行 ミサイル情報収集か?

ニュース画像 1枚目:アメリカ空軍 RC-135Sコブラボール「62-4128」 (F-4さん撮影)
© FlyTeam F-4さん
アメリカ空軍 RC-135Sコブラボール「62-4128」 (F-4さん撮影)

日本海の「大和堆」でロシア海軍艦艇がミサイル射撃実施を受け、海上保安庁が航行警報を発出しています。これに対応した動きか関連は不明ですが、アメリカ空軍は2021年7月7日(水)、RC-135Sコブラボールを日本海で12時間ほど飛行させました。

統合幕僚監部は7月6日(火)、ロシア海軍艦艇が宮古海峡を通過、北上し、対馬海峡を北東進して日本海へ向けて航行したと発表しています。ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦「011」1隻、ウダロイⅠ級駆逐艦「548」「543」2隻、ステレグシチー級フリゲート「339」「335」「333」3隻、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦「331」1隻、計7隻です。これらの艦艇は、5月16日(日)に宗谷海峡を東進し、太平洋に向かったことを海上自衛隊が確認しています。

ニュース画像 1枚目:統合幕僚監部が発表した対馬海峡を通過、北上したロシア海軍艦艇 主要4隻
© 防衛省
統合幕僚監部が発表した対馬海峡を通過、北上したロシア海軍艦艇 主要4隻

これら7隻が実施するか不明ですが、ロシア海軍の艦艇が7月7日(水)から7月9日(金)にかけて、日本海でミサイル射撃の実施が通告されています。加藤官房長官は7月6日(水)、ミサイル射撃を行う海域に日本の排他的経済水域(EEZ)が含まれていることに懸念を表明。すでに7月2日(金)、日本の船舶や漁業への影響を含め妥当な配慮をするようロシア側に申し入れたと語っています。自衛隊はロシア海軍の動きに関心を持ち、注視するとも述べていました。

ニュース画像 2枚目:日本海でのミサイル射撃についての航行警報
© 海上保安庁
日本海でのミサイル射撃についての航行警報

こうした一連の動きと呼応するように、アメリカ空軍の電子情報収集機、RC-135Sコブラボール「62-4128」が「大和堆」付近を飛行しました。Flightrader24でもこの飛行が確認でき、アメリカ側は状況監視を明確にする意思表示とも見られます。このコブラボールは7月7日(水)朝に嘉手納基地を離陸し、「大和堆」付近を12時間ほどに渡り周回飛行。高度27,000フィートから32,500フィート(8,000メートルから1万メートル)を飛行し、ロシア海軍艦艇の動きを情報収集したと見られます。

ニュース画像 3枚目:RC-135Sコブラボール「62-4128」の飛行したエリア、Flightrader24から
© Flightrader24
RC-135Sコブラボール「62-4128」の飛行したエリア、Flightrader24から

「62-4128」は、アメリカ中央軍向けにEC-135Bとして航空レーザー技術を活用した高性能射場計測機として運用され、1980年代半ばにRC-135Xコブラアイへ改修。弾道ミサイル情報収集機として使用されました。その後、1993年ごろに現在のコブラボールに改修されたとみられます。近年、日本では嘉手納基地を拠点に、北朝鮮のミサイル発射時の情報収集機としても焦点が向けられていました。

ニュース画像 4枚目:左右で異なる塗装が主翼、エンジンカウルに施されているRC-135Sコブラボール (ちゃっくさん撮影)
© FlyTeam ちゃっくさん
左右で異なる塗装が主翼、エンジンカウルに施されているRC-135Sコブラボール (ちゃっくさん撮影)

なお、コブラボールには胴体の左右のフェアリング、機首のノーズ部分のレドーム内に情報収集のためのアンテナ等が装備されているとみられます。それらの中でも最も大きな特徴は機体外観で、左右のエンジンカウルと主翼の色が異なります。色が違う詳細は理由は不明ですが、情報収集任務に関連すると推測されています。

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