メキシコ政府専用機ボーイング787、売却噂される中 成田飛来

メキシコ政府専用機ボーイング787、売却噂される中 成田飛来

ニュース画像 1枚目:7月15日、成田に飛来したメキシコ政府専用機 (JA1118Dさん撮影)
© FlyTeam JA1118Dさん
7月15日、成田に飛来したメキシコ政府専用機 (JA1118Dさん撮影)

メキシコ政府専用機が2021年7月15日(木)、成田空港に飛来しました。機体記号(レジ)「XC-MEX」で登録されている787は、政府専用機として2014年から2016年にかけてVIP機改修が進められ、引き渡しされていました。メキシコ空軍が運航を担当している機体ですが、この機体は最近では売却されると話題になっていました。

この機体は、5月31日にメキシコシティからヴィクターヴィルに輸送され、7月2日にメキシコシティに戻っています。その後、今回の日本への飛来では7月13日(火)にメキシコシティを出発し、アンカレッジを経由して、成田国際空港に到着しています。飛来目的はオリンピック関連かは不明です。

この政府専用機「XC-MEX」はVIP改修により、大統領向けには執務室、ベッドルーム、トイレシャワー付きのスイートルームが備えられています。客室部分は3つの客室ゾーンに82名が搭乗でき、11インチのモニターで機内エンターテインメントが楽しめるほか、機内にブルーレイプレーヤー、オーディオビデオオンデマンド(AVOD)サーバ、フライト情報システム、機外の風景を映し出すカメラシステムなどが搭載されています。機内には、乗客向けにトイレ8カ所、ベッド2台、後部のキャビンには乗務員の休憩スペースなども設けられています。

ニュース画像 1枚目:2017年11月、G20サミット時に中部国際空港に飛来 (SKY TEAM B-6053さん撮影)
© FlyTeam SKY TEAM B-6053さん
2017年11月、G20サミット時に中部国際空港に飛来 (SKY TEAM B-6053さん撮影)

ただし、メンテナンス費用はおよそ150万ドル、日本円でおよそ1億6,500万円とみられ、このコストも売却する考えになる1つとなっている模様です。カナダのトルドー首相が使用する専用機に故障が発生し、それに乗じてカナダへの売却が最近話題になりました。これ以前から、現在のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領が就任後、この機体を使用せずに売却を模索している模様が伝えられています。

今回で、この機体がメキシコ政府専用機の塗装として日本飛来は最後となるのか。もともと全日本空輸(ANA)へ納入するため、ボーイングが製造した機体で、787の初期製造機の不具合、いわゆる「魔のティーンズ」と呼ばれることになった一連の機体と同じ問題を抱えた1機でもあります。この機体の今回の飛来目的だけでなく、今後の行方も大いに注目されます。

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