ANAの787バッテリー、熱暴走か セル3のプラス電極が大きく損傷

ANAの787バッテリー、熱暴走か セル3のプラス電極が大きく損傷

運輸安全委員会は2013年2月5日、全日空(ANA)の787、機体記号(レジ)「JA804A」が高松空港に緊急着陸した重大インシデントについて調査の進捗状況を発表しました。

焦点となっているメインバッテリーとAPUバッテリーとも宇宙航空研究開発機構(JAXA)のでCTスキャンを実施。GSユアサでもメインバッテリーのセル毎のCTスキャンと分解調査を実施しました。

これによると、8個のセル全てに損傷があり、特にセル3とセル6の損傷が大きく、 熱暴走が見られると発表しています。損傷はセル3のプラス電極が最も大きく(下写真)、プラス電極のワッシャー飛んでいます。また、調査報告ではセル4、セル5以外の6つのセルのプラス電極で内部に溶断があるとしています。さらに、バッテリー筐体のアース線が断線していたとも発表しています。

今後は、損傷の原因究明や飛行記録装置のデータ解析、バッテリー充電器、コンタクタ、バッテリー・ダイオード・モジュールの調査を平行して実施。また、筐体アース線の断線についても時期や原因の調査を継続します。

バッテリーの損傷

※画像は運輸安全委員会の発表資料より

この記事に関連するニュース
メニューを開く