目達原所属AH-64Dの墜落事故、再発防止で点検や保管要領を見直し

目達原所属AH-64Dの墜落事故、再発防止で点検や保管要領を見直し

ニュース画像 1枚目:AH-64D
© 陸上自衛隊 明野駐屯地
AH-64D

陸上自衛隊幕僚監部は2019年9月27日(金)、AH-64D事故の調査結果を公表しました。これは2018年2月5日(月)、目達原駐屯地所属の第3対戦車ヘリコプター隊のAH-64D、「74502」が定期整備後の試験飛行中に墜落した事案です。

事故原因は、当該機のメイン・ローター・ヘッドとメイン・ローター・ブレードを繋ぐ主要部品のストラップ・パックとアウトボード・ボルトに亀裂が生じ、破断しました。ストラップ・パック破断で接続するブレードが機体から分離し、揚力を失い墜落しました。

ボルトが破断したメカニズムは、(1)メイン・ローター・ヘッドの保管中、腐食防止剤が劣化し構成品同士が固着し、アウトボード・ボルトに摩擦が発生し破断したこと、(2)メイン・ローター・ヘッドを機体に搭載する前、何らかの理由でアウトボード・ボルトに亀裂が発生し、破断したと見ています。

こうした現象に有効な再発防止策として、(1)点検要領の見直し、(2)保管要領の見直しを実施しています。点検要領は、メイン・ローター・ヘッド搭載前に、構成品の動作確認で固着がないことを確認し、アウトボード・ボルトに亀裂など異常がないか超音波などを使用した非破壊検査で点検します。

また、保管要領を見直し、搭載前のメイン・ローター・ヘッドは木製コンテナから、外部から内部の湿度確認ができ、気密性の高い金属製コンテナで保管するよう切り替えます。

陸自は陸上幕僚副長を長に航空事故調査委員会を設置し、幅広い観点から事故原因を検討、分析するため、民間の航空工学の有識者が参加しています。調査は、飛散した部品の破損状況、回収されたメンテナンス・データ・レコーダー(MDR)の解析、関係者からの聞き取り、関係企業やアメリカ陸軍、第三者機関へ意見聴取などが実施されました。

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