JAL、10〜12月に資金流出解消・1〜3月に黒字化へ

JAL、10〜12月に資金流出解消・1〜3月に黒字化へ

ニュース画像 1枚目:JAL イメージ (aocean_dome17さん 2020年6月撮影)
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JAL イメージ (aocean_dome17さん 2020年6月撮影)

日本航空(JAL)グループは2021年11月2日(火)、その業績見通しとして第4四半期(2022年1月〜3月)には現在の資金が流出する状況から、儲けを確保できるキャッシュインに変わると公表しました。2022年3月期第2四半期決算に合わせ、状況をアップデートしました。

資金流出は新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した2021年3月期・第1四半期(2020年4月〜6月)は月450〜500億円でしたが、固定費の削減、供給量の調整、営業費用の抑制、堅調な貨物便需要の取り込みなどを通じ、2022年3月期・第1四半期(2021年4月〜6月)には月100〜150億円程度となっていました。第3四半期(2021年10月〜12月)には資金が流出するキャッシュバーンは解消される見込みです。

キャッシュバーンの解消、キャッシュインに流れが変わる大きな要因は、国内旅客需要の力強い回復見込みがあげられます。ワクチン接種拡大などコロナ収束が期待されており、7〜9月はコロナ前の2019年度比で平均34.0%でしたが、10月から上向いています。JALの予測は、第3四半期(2021年10月〜12月)は2019年度比で65%にまで回復、第4四半期(2022年1月〜3月)は90%にまで回復する見通しです。国際旅客需要は、各国の出入国規制の緩和されると見込むものの、2022年3月に約23%見込みと回復は遅く、ゆっくり進むと予想しています。

貨物事業は高価格帯で好調を維持し、固定費をさらに削減したことで、損益分岐点が引き下げられています。このため、財務・法人所得税前利益(EBIT)の黒字化も今期中に視野に入ってきています。なお、通期の業績予想は、売上収益が7,660億円、EBIT損失は1,980億円、当期純損失は1,460億円です。

決算発表の手法が異なり単純比較はできないものの、ANAホールディングスは10月29日(金)、2022年3月期の見通しとして四半期ベースで第3四半期(2021年10月〜12月)に赤字解消・黒字も計上しないイーブンへ持っていき、第4四半期(2022年1月〜3月)は黒字化する計画を公表しています。この大きな流れは、JAL、ANAともに同じ。今後は好調な貨物を保ち、さらに国内線の黒字化だけでなく需要の戻りが焦点となる国際線でいつ黒字化できるか、固定費削減による損益分岐点の引き下げをどれだけ維持できるかに焦点が移っていきます。

■JAL 2022年3月期第2四半期決算
売上収益:2,906億円
財務・法人所得税前利益(EBIT):1,518億円の損失
<項目別収入> カッコ内は前年
国際線旅客:298億円 (91億円)
国内線旅客:899億円 (696億円)
貨物郵便:983億円 (534億円)
■JAL 2022年3月期通期予想
売上収益:7,660億円
財務・法人所得税前利益(EBIT):1,980億円の損失
当期利益:1,460億円の損失
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