空自の緊急発進、2021年度は5年ぶり1,000回超え 中国機への対応多く

空自の緊急発進、2021年度は5年ぶり1,000回超え 中国機への対応多く

ニュース画像 1枚目:対領空侵犯任務に着く航空自衛隊 F-15戦闘機
© 航空自衛隊
対領空侵犯任務に着く航空自衛隊 F-15戦闘機

防衛省統合幕僚監部は2022年4月15日(金)、航空自衛隊による2021年度(2021年4月〜2022年3月)の緊急発進(スクランブル)回数は1,004回と2016年度の1,168回に続く、過去2番目に多い記録になったと発表しました。2020年度は725回と少なかったものの、2014年度に900回超を記録して以降、2020年度を除き、スクランブル発進の回数は高止まりしています。この回数の多さは、中国機への対応が多いことが影響しています。また、2021年度の領空侵犯は2件で、2021年9月と2022年3月にロシア機による事案が発生しています。緊急発進は、空自が未確認の飛行機が領空に近づく状況を戦闘機を発進させて現場で確認、領空侵犯の恐れがある場合には警告等で対応する対領空侵犯措置です。

ニュース画像 1枚目:年度別の緊急発進回数
© 統合幕僚監部
年度別の緊急発進回数

推定を含むスクランブル発進の内訳は、対中国機に対して722回と最も多く、対ロシア機が266回です。中国機への対応が多い傾向は、2015年度から7年連続です。中国機へのスクランブル発進回数は、2016年度の851回に続く多さでした。

航空方面隊別では、南西航空方面隊が652回と最も多く、2016年度の803回に続く記録でした。北部航空方面隊は217回、西部方面航空隊が104回、中部航空方面隊が31回でした。

公表された特異事案では、6月にロシアSu-25攻撃機、8月に中国TB001偵察/攻撃型無人機がそれぞれ対領空侵犯措置で初めて確認されています。さらに、太平洋を航行中の艦艇から発艦したKa-27、Z-9艦載ヘリコプターが確認されているほか、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧」の艦載戦闘機と艦載ヘリの発着艦からJ-15戦闘機の発進が確認されており、中国機の太平洋での活動が活発化しています。

ニュース画像 2枚目:空母「遼寧」から発進する中国J-15戦闘機
© 統合幕僚監部
空母「遼寧」から発進する中国J-15戦闘機
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