中日本航空、エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン、ユーグレナの3社は、持続可能なバイオ燃料(SAF)を使った国内初のヘリコプター飛行を実施しました。使用済み食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂などを原料としたSAF「サステオ」をエアバスAS332L1型(H215)に給油し、名古屋空港を離発着する約30分間の飛行でした。使用されたH215は、機体記号(レジ)「JA9965」でした。
国内で定期便を運航する航空会社によるSAF導入が少しずつ進み、航空の脱炭素化の活動は回転翼にも広がってきました。国内初の回転翼機によるSAFフライトの成功により、持続可能な航空燃料を使う場面も拡大し、二酸化炭素(CO2)排出量削減の取り組みにつながります。
中日本航空は、フライト時に排出されるCO2削減の取り組みを進めており、今回のSAFを使用したフライトは重要な試みとコメントしています。この検証の結果を踏まえ、将来的な本格導入に向けて引き続き検討する方針です。
なお、フライトに使用されたSAFは、燃料の燃焼段階でCO2を排出します。ただし、使用済み食用油の原材料の植物、ユーグレナとも、成長過程で光合成によるCO2吸収を考慮し、燃料を使用時のCO2排出量は実質的にプラスマイナスゼロと、カーボンニュートラルになると考えられています。このため、航空業界ではSAFが今後のCO2排出削減に大きな役割を果たすと期待されている燃料です。