サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2023年3月12日、自身が会長を務める政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が100%出資する新たな国営航空会社「リヤド・エア」を設立すると発表しました。サウジアラビアの首都リヤドを拠点とし、2030年までには世界100都市以上への就航を目指します。
リヤドでは現在、世界最大級の空港となる6本の滑走路を有する「キング・サルマン国際空港」の建設が進められています。リヤド・エアは「アジア、アフリカ、ヨーロッパの3大陸にまたがる地理的優位性を生かし、新空港をハブ空港として活用。リヤドを世界への玄関口にしたい考えです。
サウジアラビアにはすでに、国営航空である「サウディア」があります。サウディアは王族向けのフライトや、イスラム教の聖地巡礼フライトを多く運航。拠点は商業の中心地であり、聖地「メッカ」にも近い、ジェッダです。隣国、アラブ首長国連邦では同じように、首都アブダビを拠点とするエティハド航空と、商業の中心ドバイを拠点とするエミレーツ航空が共存しています。このことからも、おそらく両空港は棲み分けされ、「リヤド・エア」は乗り継ぎ需要などへ焦点を当てているものと考えられます。