2024年に日本全国で目撃されたミリタリー機のスペシャルマーキング(特別塗装)をまとめて紹介する本記事。今年は航空自衛隊創設70周年の節目年で、各地の航空祭でそれにちなんだデザインの特別塗装機が登場しました。さらに、基地や部隊開設の周年を祝うスぺマ機もあらわれるなど、航空祭に彩りを添えました。
このほか、独・仏・西共同演習にあわせ、千歳基地のF-15戦闘機が特別塗装を施した姿を披露しました。
まずは「ミリタリー特別塗装機 年鑑(前編)」、2024年に登場したスぺマ機6機をまとめて紹介します。
■独・仏・西共同演習「パシフィック・スカイズ24」仕様のF-15
7月19日、環太平洋地域での多国間演習「パシフィック・スカイズ24」の一環で、航空自衛隊千歳基地にドイツ空軍とスペイン空軍のユーロファイター・タイフーンが来日。千歳基地所属のF-15戦闘機 71号機「機体記号:02-8071」は、「パシフィック・スカイズ24」特別塗装を施して参加しました。同機は9月15日に開催された「千歳基地航空祭」にも登場しました。■第203飛行隊の名物クマ、創隊60周年記念のF-15記念塗装に
7月下旬、航空自衛隊千歳基地第203飛行隊の部隊マークである“パンダ”……ではなく、60周年を祝う赤いちゃんちゃんこを着た白い熊を背面に大きく描いたF-15戦闘機が登場。機体は 816号機「機体記号:32-8816」。色使いといいデザインの奇抜さといい、今年もっとも印象に残ったスぺマ機として記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。 同機は8月25日開催の「松島基地航空祭」に飛来し、9月15日開催の「千歳基地航空祭」で飛行する姿を披露しました。■空自創設70周年記念の第3飛行隊“兜武者”F-2戦闘機
航空自衛隊百里基地は、8月下旬、空自創設70周年記念のスペマを施したF-2戦闘機551号機「機体記号:93-8551」と130号機「53-8130」を公開しました。尾翼部分にさざ波が立つ海と夕陽または月らしきものをバックに、同基地第3飛行隊の部隊マークである「兜武者」が浮かぶように見えるこのデザイン。実は、第3飛行隊のパイロットである、タックネーム「Q.P」(KEWPIE)が考案したのだとか。同機は12月8日開催の「百里基地航空祭」で飛行しています。Q.Pは航空祭のF-2機動飛行で2番機に搭乗していました。■築城基地開設70周年記念のF-2戦闘機、一般公募のデザイン採用
航空自衛隊築城基地は、空自創設70周年および築城基地開設70周年を記念した特別塗装機として、同基地第6飛行隊所属のF-2戦闘機536号機「機体記号:63-8536」と538号機「63-8538」を9月9日に公開しました。 今回の特別塗装は、今年3月に一般公募を行い。応募作99点の中から2点が選ばれたもの。536号機はブルーを基調に周防灘の海を編隊で飛ぶF-2のデザインが特徴、538号機は赤と紺を基調にF-2と菊の花が描かれています。 同機は11月24日開催の「築城基地航空祭」、12月1日開催の「新田原基地エアフェスタ」などに登場しました。■色付き“オジロワシ”の復活!第302飛行隊のF-35戦闘機
航空自衛隊三沢基地は9月18日、第302飛行隊の創隊50周年式典を開催しました。そこに登場したのが、運用するF-35AライトニングII戦闘機702号機「機体記号:69-8702」のスぺマ機。部隊マークであるオジロワシを“色付き”で垂直尾翼に復活させました。 同部隊は、2019年までF-4EJ/EJ改「ファントムII」戦闘機を運用していましたが、当時はすべての機体にフルカラーの尾白鷲マークがペイントされていました。F-35になってからは低視認性(ロービジ)塗装へと変更されたので、3色カラーのオジロワシが復活して感激した人も多いのではないでしょうか。同機は11月9日開催の「自衛隊観閲式」で飛行したほか、12月1日開催の「新田原基地エアフェスタ」の地上展示に飛来しました。以上、2024年「ミリタリー特別塗装機 年鑑」前編でした。皆さんはどの機体デザインがお気に入りでしたか?
後半は、まさかの新幹線デザイン!?小松基地のF-15戦闘機や、ファンを歓喜させた”真っ赤な”岐阜基地・飛行開発実験団のF-15が登場します。