国際航空旅客、需要は1/3に激減 2021年も厳しいシナリオも

国際航空旅客、需要は1/3に激減 2021年も厳しいシナリオも

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国際航空運送協会(IATA)は2021年2月3日(水)、2020年の世界の旅客輸送実績を発表しました。旅客輸送量は、需要を示す収入旅客キロ(RPK)ベースで2019年から65.9%減と、市場は3分の1規模に縮小しました。国内線に限ると48.8%減と半減でした。これは航空史上最も急激に需要が減少した1年でした。

この実績からも航空旅客需要は、通年で大きな打撃を受けたことが鮮明です。さらにIATAは、2020年12月後半から今後の予約動向が急激に落ち込んだと明らかにしています。世界各地でロックダウン措置が再び取られ、日本でも緊急事態宣言が発令され、人々の移動制限や抑制が予約動向にも反映したと見られます。

IATAは2021年予測について、RPKは2020年と比べ50.4%改善し、2019年比で50.6%と見込んでいます。この予測は変えないとしつつ、世界で報告されている新型コロナウイルスの変異株に対応するため、厳しい入国制限を各国が続ける場合、需要が激減するリスクがあると注意を呼びかけています。この厳しい見通しが現実となった場合、RPKは2020年と比べ13%改善に止まり、2019年比38%と厳しい環境が2年続き、航空会社のキャッシュフローに悪影響が及ぶとの考えです。

IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務局長は、「2020年は大惨事。他に表現のしようがない」とコメント。さらに変異株の出現でロックダウンなど各国が厳しい対応を講じているものの、コロナの検査やワクチン情報を乗客が簡単・安全に旅行時も管理できるアプリ「IATAトラベルパス」を提供し、国際航空旅行の再開に努力する方針です。

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