アメリカインド太平洋軍は2021年5月3日(月)から5月14日(金)まで、合同演習「ノーザン・エッジ2021」を実施しています。アメリカ太平洋空軍が主催する演習で、2021年は第85試験評価飛行隊(85 TES)に配備された新たなF-15EXイーグルIIが初めて参加します。
演習には、アメリカ海軍の空母「USSセオドア・ルーズベルト(CVN-71)」など6隻、アメリカ空軍を含む航空機240機が参加し、アラスカからその近辺で演習を実施します。訓練は大規模、かつ実践的で高度なものです。
エグリン空軍基地に所在する第53航空団(53WG)は、「ノーザン・エッジ21」に25機を超える機体、パイロットや整備士など数百名をアラスカに派遣しています。53WGは戦闘機、爆撃機、遠隔操縦機を含む偵察機などを派遣し、各種シナリオに基づく実践的な環境で、ソフトウェア、ハードウェア、戦術の向上につなげています。F-15EXは運用テストと初めての大規模な部隊統合への参加、さらにF-15EXとF-35の統合による戦闘場面での相乗効果の確認・検証を目的としています。
合同演習には、セオドア・ルーズベルト空母打撃軍(TRCSG)、マキン・アイランド両用即応グループ(ARG)、第15海兵遠征隊などが参加します。TRCSGは、空母「セオドア・ルーズベルト(CVN-71)」を旗艦とし、搭載されている第11空母航空団(CVW-11)、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「バンカー・ヒル(CG-52)」、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦「ラッセル(DDG-59)」などで構成。マキン・アイランドARGは、ワスプ級強襲揚陸艦「マキン・アイランド(LHD-8)」、ドック型揚陸艦「サマセット(LPD-25)」、アトランタ級軽巡洋艦「サンディエゴ(CL-53)」と第15海兵遠征部隊で構成しています。
空軍が主催するNE21は、ハイエンドでリアルな戦闘機の訓練を提供し、相互運用性の開発・向上、参加部隊の戦闘準備能力を高めるため、防衛航空戦闘、近接航空支援、海上部隊の空中抑止などのシナリオが予定されています。大規模な戦力投入訓練、マルチドメイン作戦、紛争発生中の全領域を対象とした戦術訓練、共同戦術・技術・手順の実行性の確保などを通じ、現代の紛争で予想される複雑な体験を積むもので、こうした環境でF-15EXの能力も確認されます。
なお、演習では、アラスカ州のエルメンドルフ・リチャードソン統合基地、アイルソン空軍基地、アレン陸軍飛行場、フェアバンクス国際空港、テッド・スティーブンス国際空港、ジュノー国際空港、ワシントン州のフェアチャイルド空軍基地とルイス・マコード統合基地などが使用されます。第11空母航空団は以下の航空機で構成しています。
■第11空母航空団 第154戦闘攻撃飛行隊 (VFA-154)ブラック・ナイツ:F/A-18F 第31戦闘攻撃飛行隊 (VFA-31)トムキャッターズ:F/A-18E 第146戦闘攻撃飛行隊 (VFA-146)ブルー・ダイヤモンズ:F/A-18E 第87戦闘攻撃飛行隊 (VFA-87)ゴールデン・ウォリアーズ:F/A-18E 第142電子攻撃飛行隊 (VAQ-142)グレイ・ウルブス:EA-18G 第115早期警戒飛行隊 (VAW-115)リバティベルズ:E-2C 第8ヘリコプター海上作戦飛行隊 (HSC-8)エイトボーラーズ:MH-60S 第75ヘリコプター海洋攻撃飛行隊 (HSM-75)ウルフパック:MH-60R 第30艦隊後方支援飛行隊 分遣隊(VRC-30)プロバイダーズ:C-2A