今週は、世界的にもレアな存在である「A340-500」の羽田飛来が話題になりました。他にも、長崎へやってきたハンガリー空軍機や新登場の特別塗装機、惜しまれながら退役したJALの777-300ER初号機など、直近2025年5月23日〜29日の間に、日本の空港へ飛来し注目を集めた機体をピックアップして紹介します。
5月23日・羽田空港
中国東方航空 ボーイング777-300ER型機 「機体記号:B-7349」
5月7日に運航を開始した上海博物館をテーマにした特別塗装機「Museum in the Sky」が、日本路線に初めて投入されました。前日の22日に上海(浦東)から到着、翌日午後に上海(浦東)に向かっています。
5月24日・関西国際空港
日本貨物航空(NCA) ボーイング747-8F型機 「機体記号:JA18KZ」
オランダ・アムステルダムから、貨物チャーター便としてNCAの747-8Fが関空にやってきました。到着後、同日中に成田空港まで運航されています。同社機の関空飛来は、15日の「JA12KZ」以来でした。
5月24日・成田空港
日本貨物航空(NCA) ボーイング747-8F型機 「機体記号:JA17KZ」
4月中旬から「JA12KZ」で確認されている、機体後部にNCAの40周年を記念したデカールを貼り付けた機体が、「JA17KZ」でも確認されています。今後、他の機体でも貼り付けが進むものとみられます。
5月24日・成田空港
エミレーツ航空 ボーイング777F型機 「機体記号:A6-EFV」
成田と中東を結ぶ初めての貨物直行便として、同日からエミレーツ・スカイカーゴの成田〜ドバイ線が新規就航しました。毎週土曜日に週1便を運航する計画で、貨物便としては珍しく日中帯の発着が予定されています。
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5月24日・宇都宮飛行場
陸上自衛隊 エンストロムTH-480ヘリコプター 「機体記号:62378他」
陸上自衛隊 UH-1J多用途ヘリコプター 「機体記号:41916」
宇都宮飛行場に隣接する陸上自衛隊・北宇都宮駐屯地(栃木県)にて、「北宇都宮駐屯地 開設52周年記念行事」が開催されました。陸自の操縦教官で構成する「ブルーホーネット」による飛行展示のほか、所属部隊である航空学校宇都宮校のヘリコプターなども展示されました。
5月24日・羽田空港
フィリピン航空 ボーイング777-300ER型機 「機体記号:RP-C7783」
ガルーダインドネシア航空で「PK-GID」として活躍し当時の名残を少し残す「RP-C7783」が、初めて羽田路線に投入されました。今年1月に成田へ初めて飛来した機体ですが、羽田〜マニラ線への投入は初めて。同じく元ガルーダ機の「RP-C7784 (元PK-GIE)」も、17日に羽田路線へ初めて投入されています。
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5月24日・大村航空基地
海上自衛隊 SH-60K哨戒ヘリコプター 「機体記号:8478」
海上自衛隊 TH-135練習ヘリコプター 「機体記号:8809」
海上自衛隊・大村航空基地(長崎県)にて、一般開放イベントが行われました。当日は天候不良により展示飛行や体験搭乗が中止になりましたが、第3格納庫内では第22航空群の対潜哨戒ヘリコプターなどの地上展示が行われました。
5月25日・守山駐屯地
陸上自衛隊 AH-1S対戦車ヘリコプター 「機体記号:73489」
陸上自衛隊は守山駐屯地(愛知県)にて、一般開放イベント「第10師団創立63周年・守山駐屯地創設66周年 記念行事」を開催しました。訓練展示では16式機動戦闘車による射撃(空砲)のほか、明野駐屯地(三重県)の第5対戦車ヘリコプター隊所属のAH-1S対戦車ヘリコプター(コブラ)の飛来などがありました。
5月25日・静浜飛行場
航空自衛隊 T-7初等練習機 「機体記号:36-5906」
海上自衛隊 SH-60K哨戒ヘリコプター 「機体記号:8477」
航空自衛隊・静浜基地(静岡県)にて、「静浜基地開放行事(航空祭 2025)」が行われました。午前9時から13時30分までと、当初の予定よりも時間を短縮して開催。それでも飛行開発実験団の戦闘機による展示飛行や、陸上自衛隊・海上自衛隊ヘリコプター、ホンダジェットなど様々な機体が参加しました。
5月25日・新千歳空港
パル・エアロスペース DHC-8-100型機 「機体記号:C-FOFR」
カナダの地域航空会社「パル・エアロスペース」が運航する、カナダ水産海洋局の海上哨戒機が新千歳空港に飛来しました。毎年の常連で昨年も6月ごろから新千歳にやってきていたほか、12月には那覇空港へ飛来しています。
5月25日・関西国際空港
ドゥルク航空 エアバスA319-100型機 「機体記号:A5-JSW」
20日深夜の羽田空港に続き、同日深夜に関空へ再びドゥルク航空がやってきました。羽田の時は往路でブータン・パロから直行していましたが、今回は往復ともにベトナム・ハノイを経由しています。同社はA319を3機保有していますが、今回の日本飛来は全てウィングレット付きの「A5-JSW」が投入されました。
5月26日・宮崎空港
全日本空輸(ANA) ボーイング787-8型機 「機体記号:JA878A」
エアバスA321-200neo型機で運航される羽田〜宮崎線(NH609便/614便)に、機材変更で大型のボーイング787-8型機(国際線仕様機)が投入されました。宮崎空港駅には、JR九州の特急形車両「787系」が乗り入れており、陸と空の787が間接的に共演しています。
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5月26日・関西国際空港
インドネシア空軍 ボーイング737-800型機 「機体記号:A-7309」
インドネシア空軍の737が、関西国際空港に飛来しました。政府関係者向けの運航とみられ、日本への飛来は昨年11月の新千歳空港以来でした。
5月27日・羽田空港
日本航空(JAL) ボーイング777-300ER型機 「機体記号:JA731J」
「JA734J」に続く退役機として、JALの773ER初号機「JA731J」がラストフライトを終えました。最終便は、上海(浦東)〜羽田線のJL80便。同機の代名詞とも言える長距離路線の最終便は、25日着のサンフランシスコ〜羽田線でした。退役した「JA731J」は、“ローンチカスタマー”として、JALが2004年6月に受領した777-300ERの初号機。また、「YOKOSO!JAPAN」、「エコジェット」、「COP10 エコジェット」、ゴルフのPGAツアーを記念した「JAPAN AIRLINES Championship」、「スカイスイート777」と、同社773ERで最も多い5種類の特別塗装を経験した機体でした。
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5月27日・関西国際空港、長崎空港
ハンガリー空軍 エアバスA319-100型機 「機体記号:605」
ハンガリー大統領乗機として、20日に羽田空港へ飛来したハンガリー空軍のA319。23日に関西国際空港へ移動後、27日には長崎空港まで運航した後、離日しました。同国大統領は、東京で天皇陛下や総理大臣と会談後、大阪・関西万博、広島・長崎の原爆関連施設を訪れています。
5月27日・嘉手納飛行場
カナダ空軍 ボーイングCC-177型機グローブマスターIII 「機体記号:177704」
アメリカ空軍・嘉手納基地(沖縄県)に、カナダ空軍のC-17輸送機(CC-177)が飛来しました。同基地を拠点に、北朝鮮籍船舶による日本周辺の「瀬取り」など違法な海上活動の警戒監視活動にあたっていた同軍の支援で飛来したものとみられます。
5月28日・羽田空港
カンボジア王国政府 エアバスA320-200型機 「機体記号:B-6738」
カンボジア首相の乗機として、政府専用機が羽田にやってきました。機体へのレジナンバー表記はありませんが、中国南方航空からリースされている機体のため、中国籍のままになっています。同機の飛来は、昨年4月の関西国際空港以来でした。
5月28日・羽田空港
クウェート政府 エアバスA340-500型機 「機体記号:9K-GBB」
クウェート皇太子の訪日のため、4発機の政府専用機が羽田空港に飛来しました。天皇陛下との面会のほか、日程後半には大阪・関西万博への訪問も予定されています。日本飛来は即位礼正殿の儀への参加のために訪日した、2019年10月の羽田空港(機材待避のための新千歳空港)以来でした。
5月28日・成田空港
マレーシア航空 エアバスA330-300型機 「機体記号:9M-MTD」
「マレーシア観光年2026」の新しいロゴを描いた「Visit Malaysia Truly Asia」塗装機が登場しました。同機には5月中旬から同ロゴが描かれている模様です。成田〜クアラルンプール線に投入されています。
5月28日・成田空港
スカイ・リース・カーゴ ボーイング747-400F型機 「機体記号:N904AR」
アメリカ・マイアミを拠点とする貨物航空会社スカイ・リース・カーゴが、成田空港にやってきました。エールフランス航空で活躍していた機体で、4月9日の成田空港への飛来以来でした。
5月28日・成田空港
全日本空輸(ANA) ボーイング767-300ER/F型機 「機体記号:JA601F」
ANA CARGO機が羽田空港から鹿児島空港まで、貨物チャーター便として運航されました。その後、成田空港まで運航しています。同機は、2002年に納入された機体で、同型の貨物専用機として最初にデリバリーされました。
5月29日・米子空港
タイガーエア台湾 エアバスA320-200neo型機 「機体記号:B-50025」
同日から、米子〜台北(桃園)線が新規就航しました。月曜日と金曜日の週2便で、初便のみ木曜日に運航されています。米子鬼太郎空港発着の国際線は、週5便を運航するエアソウルのソウル(仁川)線、週3便を運航するグレーターベイ航空の香港線に次ぐ3路線目です。
5月29日・横田基地
タイ王国空軍 エアバスA319-100CJ型機 「機体記号:HS-TYR」
27日朝にやってきたタイ王国空軍のA319CJ。同日午後、東南アジア方向に向けて出発して行きました。同軍機の飛来は直近も横田基地で、今年4月にC-130輸送機がやってきているほか、2023年12月には羽田空港と関西国際空港へエアバスA340-500型機「60204」が飛来しています。
5月29日・関西国際空港
中国聯合航空 ボーイング737-800型機 「機体記号:B-1151」
中国の旅行代理店「携程旅行(Ctrip)」をPRする特別塗装機が、大阪(関西)〜北京(大興)線に投入されました。同機は昨年11月に上海航空から移籍し、その時から特別塗装機で運用されています。日本への初飛来は3月30日ですが、特別塗装の多い同社機は夜間発着のためなかなか撮影機会の少ないエアラインです。
以上、注目の飛来機をピックアップして紹介しました。来週は、どんな特別塗装機やレアな機体が飛来するのか楽しみですね。近くの空港へ、飛行機を眺めに出かけませんか?