政府専用機に施された特別デカールや、小牧に飛来したイタリア空軍機などが話題になったお盆期間でした。初飛来の型式や新造機、元ノースウエスト航空(NWA)のエアバス機による面白い運用など、直近の2024年8月9日〜15日の間に、日本の空港へ飛来し注目を集めた機体をピックアップして紹介します。
8月9日、10日・名古屋飛行場
イタリア空軍 F-35AライトニングII戦闘機 「機体記号:MM7368」
イタリア空軍 ボーイングKC-767空中給油・輸送機 「機体記号:MM62226 & MM62229」
航空自衛隊とイタリア空軍の共同訓練「ライジング・サン24」のため、三沢基地(青森県)を訪れていたF-35とKC-767の一部機体が、航空自衛隊・小牧基地(愛知県)に立ち寄りました。多くの機体は9日に飛来、10日に出発しています。
8月9日・長崎空港、羽田空港
航空自衛隊 ボーイング777-300ER型機 「機体記号:80-1111 & 80-1112」
政府専用機が777-300ERになって、初めて長崎空港にシグナスが飛来しました。岸田首相の長崎訪問後、長崎空港から直接カザフスタン、ウズベキスタン、モンゴルへの外遊に出発する予定のために2機がフェリーされましたが、南海トラフ地震臨時情報への対応を行うため、外遊はキャンセルに。首相は長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典出席後、「80-1111」を本務機として羽田空港に戻りました。カザフスタンでは初開催となる「中央アジア+日本」対話・首脳会合を行う予定であったため、本務機搭乗口(L2ドア)横にはこれを記念するステッカーが貼り付けられていました。
【関連記事:政府専用機が長崎へ! 空自、岸田首相外遊に伴う運航スケジュール発表 8月9日~12日】
8月9日・下地島空港
キャセイパシフィック航空 エアバズA330-300型機 「機体記号:B-LAP」
同社による下地島空港でのパイロット訓練が行われています。ボーイング747-400ER/F型機や、エアバスA350-900型機など、さまざまな機材が日替わりで使用されています。
8月10日・成田空港
KLMオランダ航空 ボーイング787-10型機 「機体記号:PH-BKH」
成田〜アムステルダム線で、機種変更にて長胴型の787-10が投入されました。関西国際空港にも機種変更で飛来実績はありますが、成田空港へは初めての飛来とみられます。
8月11日・羽田空港
日本航空(JAL) エアバスA350-1000型機 「機体記号:JA05WJ」
JALの新ブラックシップ、A350-1000の5号機がデリバリーされました。エアバス社の製造工場があるフランス・トゥールーズから到着しています。羽田〜ニューヨーク(JFK)・ダラス・ロンドン(ヒースロー)線に投入される計画です。
8月11日、12日・中部国際空港、広島空港
フンヌ・エアー エンブラエルE190型機 「機体記号:JU-8811&JU-1812」
日本各地からモンゴルへのチャーター便を運航する同社ですが、セントレアおよび広島発着でウランバートルへのチャーター便が運航されました。20日にも中部国際空港への運航が予定されています。
8月11日・中部国際空港
エミレーツ航空 エアバスA380-800型機 「機体記号:A6-EUI」
成田空港A滑走路上で発生した、747貨物専用機シルクウェイ・ウェスト・エアラインズの離陸中止トラブルのため、B滑走路を使用できないA380がセントレアにダイバートしました。その後、A滑走路再開後に成田へ再運航していますが、折り返し便の成田〜ドバイ線は約5時間遅れで運航しています。
8月11日・伊丹空港
全日本空輸(ANA) ボーイング737-800型機 「機体記号:JA60AN」
垂直尾翼後ろ半分(方向舵・ラダー)が、無塗装の状態で取り付けられている姿が目撃されています。同機は7月25日の羽田〜小松線で、小松空港到着後に何かしらの不具合が発生。垂直尾翼の後ろ半分を部品交換し、8月6日に羽田へフェリー、その後9日から運用に復帰しています。
8月12日・成田空港
全日本空輸(ANA) ボーイング787-9型機 「機体記号:JA871A」
ANAが定期便を運航していない成田〜パリ間で、チャーター便が運航されました。復路は、パリ五輪の日本選手団も搭乗。同便に投入されたのは特別塗装機「ANA Green Jet」でした。同機は長らく羽田ベースで運用されていましたが、パリから到着後は成田を拠点にハノイ線やブリュッセル線に投入されています。
8月13日・成田空港
大韓航空 ボーイング787-10型機 「機体記号:HL8535」
7月25日から成田線で初就航した同社の787-10ですが、早速2号機も投入されています。初号機「HL8515」と同じく、デリバリー後の初就航が成田〜ソウル(仁川)線のKE703/704便でした。同機は、大阪(関西)〜ソウル(仁川)線のKE721/722便へも投入されています。
【関連記事:ドリームライナー全機種揃う! 大韓航空787-10初号機を受領、初投入は成田線に25日より】
8月13日・羽田空港
ヴァージン・オーストラリア ボーイング737-8-MAX型機 「機体記号:VH-8IG」
同社7機目となる737MAXが、羽田〜ケアンズ線に初めて投入されました。7月から運航を開始した新造機で、これまで国内線や近距離国際線でのみ運用されていました。
8月14日・成田空港
カーゴジェット・エアウェイズ ボーイング767-300ER/BCF型機 「機体記号:C-FPCJ」
成田ではお馴染みとなったカナダからの貨物機ですが、日本初飛来となる白ベース、タイトルのみ塗装された機体がやってきました。同機はKLMオランダ航空などで旅客機として活躍したのち、2022年から貨物機として同社で運用されています。
8月13日〜15日・羽田空港
デルタ航空 エアバスA330-300型機 「機体記号:N801NW & N804NW」
A330-900neoで運航される羽田〜シアトル線に、A330-300が機種変更で投入されました。シンガポールで実施している重整備で、ドックアウトとドックインの機体を同路線利用により羽田空港で入れ替える運用を行ったとみられます。当初、13日に羽田で入れ替えが予定されていたものの、何らかの事情で1日延期となり3日間に渡り同路線にA330-300が投入されました。稀に飛来する機体ですが、機体記号の末尾“NW”の通り、ノースウエスト航空で運航されていた機体です。
8月15日・旭川空港
ティーウェイ航空 ボーイング737-800型機 「機体記号:HL8306」
同社による旭川〜大邱間のチャーター便が運航されています。同日は、2022年から運航を開始した特別塗装機「ピカチュウジェットTW」が投入されています。
以上、注目の飛来機をピックアップして紹介しました。来週は、どんな特別塗装機やレアな機体が飛来するのか楽しみですね。近くの空港へ、飛行機を眺めに出かけませんか?