運輸安全委員会の787調査状況 今後は再現実験なども

運輸安全委員会の787調査状況 今後は再現実験なども

運輸安全委員会は2013年2月20日、全日空(ANA)の787、機体記号(レジ)「JA804A」が高松空港に緊急着陸した重大インシデントについて調査の進捗状況を発表しました。

8個のセル全てに損傷があり、特にセル3とセル6の損傷が大きく、このうちセル3の分解した様子を公表しています。セル3エレメントの正極端子付近には高温となった損傷痕が見られ、熱により溶けたアルミが付着したような跡も見られるものの、さらに調査が必要としています。

セル・エレメント内の負極、正極集電体とも溶断した状況はセル1、2、3、6、7、8に見られるとして大きな電流が流れ、セル内の熱暴走により正極集電体が加熱されたことが考えられるとしています。

また、2月16日と2月17日、ボーイング社でバッテリー充電器と健全バッテリーの接続試験を実施し、各電圧、電流、セルの電圧、温度、制御信号などを測定、試験を実施しましたが、その結果は分析中としています。

今後の調査はバッテリー・セルの分解調査を引き続き行う一方、セルの分解や機器や部品の調査結果、デジタル飛行データ記録装置(DFDR)の記録データの分析に加え、バッテリーシステムの組み合わせ試験や再現実験なども視野にいれてます。これらを踏まえ、根本原因の分析、検討を行うとしています。

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