ボーイング787、再び納入停止 3〜5月にJAL・ANAなど11機引渡し

ボーイング787、再び納入停止 3〜5月にJAL・ANAなど11機引渡し

ニュース画像 1枚目:ボーイング 787 イメージ
© Boeing
ボーイング 787 イメージ

ボーイングは2021年5月、ボーイング787型機の顧客への納入を再び一時停止しました。アメリカ連邦航空局(FAA)は、安全性に関連する点検方法が規則に準拠しているか判断するためボーイングに追加情報の提出を指示し、その納入が停止されています。ロイターがFAA談として5月28日(金)、伝えました。

ボーイングは2020年10月中旬から2021年3月下旬にかけておよそ5カ月、787型機の納入を停止していました。787の胴体に使用している炭素繊維複合材の結合部から亀裂が生じる懸念があり、ボーイングは機体の製造過程を再確認、特に問題とされた機体後部の胴体結合部を確認。部分的に胴体を分解し、要求する基準に合致しているか作業が続けられていました。

3月下旬の納入再開後、航空会社に引き渡しされた787は11機、確認できる最後の納入日は5月4日(火)です。11機の内訳はユナイテッド航空に3機、日本航空(JAL)と中国南方航空にそれぞれ2機ずつ、さらに全日本空輸(ANA)、エア・プレミア、アメリカン航空、ウズベキスタン航空に1機ずつ引き渡しされました。製造時期はいずれも2020年で、初飛行の時期別で見ると第1四半期が3機、第3四半期が1機、第4四半期が7機です。

ボーイングを巡っては、737 MAXの墜落事故以降、その管理体制に批判が出ています。アメリカ議会がまとめたボーイング737 MAXの最終報告書は、ボーイングとアメリカ連邦航空局(FAA)の双方が設計、開発、認証の段階で重大な失敗を繰り返したと指摘し、改善点にボーイングの隠蔽体質、FAAの認証体制を挙げました。こうした背景から、FAAはボーイングに対する安全面の審査を強化しています。

一方で、737 MAXは予定通りの納期が守れないと経営陣の管理体制をライアンエアが批判。今回は787の製造過程での問題を改善した直後、再び安全性に関する点検方法をFAAが再確認しており、ボーイング全体の安全品質管理が問われているのかもしれません。

■ボーイング 2021年3月下旬〜5月上旬の納入機
機体記号航空会社機種製造番号 /
エンジン
納入日(上)/
初飛行日(下)
N29985ユナイテッド航空787-966144/10482021/03/26
GEnx-1B2020/10/08
N28987ユナイテッド航空787-966146/10582021/03/30
GEnx-1B2020/10/20
HL8387エア・プレミア787-966407/10472021/03/31
RR Trent 10002020/11/12
N19986ユナイテッド航空787-966145/10542021/04/07
GEnx-1B2020/10/20
B-20E8中国南方航空787-960314/9662021/04/17
GEnx-1B2020/02/07
JA881JJAL787-966514/10572021/04/21
GEnx-1B2020/10/14
B-20EH中国南方航空787-964239/9802021/04/22
GEnx-1B2020/03/27
JA882JJAL787-966515/10592021/04/23
GEnx-1B2020/12/22
N873BBアメリカン航空787-865993/10292021/04/30
GEnx-1B2020/07/31
JA925AANA787-961526/10562021/04/30
RR Trent 10002020/11/27
UK78706ウズベキスタン航空787-864438/9652021/05/04
GEnx-1B2020/01/09
この記事に関連するニュース
メニューを開く